質問するということ、教えるということ

こんにちは。管理人です。

あるYouTube動画を見ていて、こんな話をしていました。

「大学でbe動詞を教えている。大学は専門高等教育をやるところ。そんなことでいいのか?」

be動詞は、本来は中学1年生で習うものです。
まあ確かに、be動詞くらい知ってるでしょう、大学で習うなんてそれはどうなの?と言われれば確かにそうです。
いや、別にbe動詞知らなくても生きていくのに関係ないでしょう、と言われればそれもそうです。
be動詞を知らなくても、英語がペラペラな人もいるはずです。

お前、そんなことも知らないのか、ということはよくある。

それはさておき、「自分が知っていることを人に教える」「自分が知らないことを人に質問する」ということはとても大切なことです。

社会に出たら、「自分ができることを人にしてあげる」「自分が知っていることを人に教えてあげる」、これがそのまま仕事(ビジネス)の本質です。

ちょっと話はズレますが、「アービトラージ(裁定取引)」という言葉があります。
「ある場所では豊富に存在していて安い商品が、別の場所では極めて貴重で高値で取引されていたとする。その事実を知っていれば、安い場所で買い、高い場所に持って行って売るだけで、利益を得られる。」(引用元:Wikipedia)

ある場所ではまったく価値がないのに、別の場所ではすごく価値があるんだよ、これをビジネスに利用するんだよという話です。
これを知っているほうが、be動詞を知っているより役に立つと思いませんか?

杉原厚吉東京大学名誉教授の本を読んでいて、こんなことが書いてありました。
ちょっと長くなりますが引用します。

(真面目に研究と向き合っている学生に対しては、)研究指導というよりは共同研究をしているという感じで接する学生も少なくないのである。そういうときは、大変心地よく学生との面談ができる。

もう一方で、確かにこちらの方が学生より一段と高いところにいて、指導すべきだと感じるが、機会がなかなかつくれないために指導できないという場合もある。すなわち、あまり大学に出てこなくて、面談の約束をしておいても、約束の時間に現われない学生である。
そういう学生は心のケアが必要な場合が多く、「がんばれ」とか「しっかりしろ」という励ましの言葉を不用意に使ってはいけないと私たちは指導されている。代わりに、できるだけ早く専門の医師に見てもらうように学生に勧める。ときには、学内の保健センターの予約を代わりに取ったり、その保健センターへ付き添っていっしょにいったりすることもある。

あまり研究熱心ではない、やる気がない学生。
杉原先生、やる気がないからといって、いきなり「専門の医師に見てもらうように勧める」ってちょっと極端ではないですか。

最近気づいたことであるが、面談の約束をすっぽかす学生のなかには、自分のスケジュールを記入して管理する手帳の類をもっていない者が少なからずいる。
そういう学生は、自分がいつ誰と会う約束をしたかを、頭のなかの記憶だけに残しておき、その記憶を頼りに行動している。人は忘れる動物であるから、記憶だけに頼っていたのでは約束を忘れてすっぽかしてしまうのも当然であろう。

手帳をもっていない学生に初めて出会ったときは、とても驚いたが、二人目からは、約束をすっぽかされた理由がはっきりして、むしろすっきりした。
そして、そういう学生には、世の中には手帳というとても便利なものがあって、それを使えば記憶に頼るという苦しみから解放されるんだよということを、真面目に教えてあげる。それでも相変わらず手帳をもたないままの学生もいて、世の中は私の理解の範囲を越えている。(引用元:『大学教授という仕事』)

「世の中には手帳というとても便利なものがあって、それを使えば記憶に頼るという苦しみから解放されるんだよということを、真面目に教えてあげる」

まあ、予定を手帳(スマホ)に記録するというのは、当たり前と言っちゃ当たり前ですが。
杉原先生、良い指導をなさいましたね、と思います。


「教える」「教わる」ことに関して、いろいろありますよね。

うちの娘が顧問の先生に質問したら、「いま先生、ヒマに見える?ちょっと忙しいから」と言われたらしい。それはちょっといかがなものか・・。

SNSでもよく見るのは、「ちょっと調べりゃ分かるのに、すぐ人に訊くなよ!」とキレてる人。
さすがに何回も同じことをきくのもあれですが。

人に教えることを極端に嫌う人もいます。
職場には多いですよね。
「1回しか教えないからな」という人。
ノウハウを盗まれるのが嫌なんでしょうか。

「そんな簡単なことは自分で調べろ」というくせに、間違えたら「なんでオレにすぐ訊かないんだ」という上司。なんて面倒くさいんだろう。

またよくあるのが、人に訊くときはまず事前に調べておいて、「私はこうしようと思うんですが、○○さんはどう思いますか?」というのがマナーですよと。
あー面倒くさい。

人に質問するということは勇気がいります。
ジャーナリストの池上彰さんは、それを「質問力」と言っています。

ホリエモンと言えば、「ググレカス」ですよね。
確かにググレカスなんですが、一方でホリエモンは、「分からないことがあったら、すぐ詳しい人に訊けばいい」って、こういうことも本に書いています。
肉の切り方とか処理の仕方とか。「肉磨き」というらしい。

話があちこち飛びましたが、一つ言えることは、人に教えるのを極端に嫌う人がいる一方で、とても気持ちよく、分かりやすく教えてくれる人もたくさんいるということです。

そういう人を選んで質問すれば間違いないです。
ただし、それでもモノには限度があるので、タイミングをみて謙虚な姿勢で質問しましょう。

では、また。