高校受験のスケジュール
高校受験にあたって、日程や手続きを押さえておくことは重要です。
実際に、福岡県の第10学区(大木町、大川市、柳川市、みやま市、大牟田市、久留米市のうち三瀦中、城島中)を例にして、一般入試のスケジュールを追っていきましょう。
福岡県教育委員会のホームページに、ひと通り目を通しておかれることをお勧めします。
現時点で、すでに令和8年度(令和8年4月入学)の入試の日程が発表されています。
参照元:高校入試 – 福岡県庁ホームページ
例えば、この地区の県立の進学校である伝習館高校を第一志望にしたとします。
第二志望校は山門高校、私立の併願校は柳川高校の特進だと仮定しましょう。
ここでは、令和7年度(令和7年4月入学)の日程をもとにシミュレーションしていきたいと思います。
なお各中学校では、年明けから各受験スケジュールが始まりますので、年内の12月末までに、あらかた進路を決定するようです。
最初に、私立併願校の柳川高校の受験スケジュールをこなしていきます。
これが、公立高校受験の予行演習になりますね。
【柳川高校一般入学試験】
出願受付日 | 2025年1月30日(木)~1月31日(金) 9:00~17:00 |
検査日 | 2025年2月4日(火) |
合格発表日 | 2025年2月6日(木)17:00から、インターネット上で確認 |
出願受付が、1月末の2日間しかないことに注意が必要です。
試験日は2月4日、合格発表は2月6日です。
さて、ここで柳川高校の合否が出ました。
しかし、公立はまだ受験前です。
【柳川高校入学手続き】
①令和7年2月6日(木)~2月11日(火) 23:59までインターネット上で手続きを完了すること
②入学申込金20,000円(オープンキャンパス参加者は10,000円減免)を納入すること
公立高校の試験の前に、柳川高校の入学手続きがあるんですね。
この後、公立高校に合格するか分かりません。
公立が不合格で柳川高校に進学するかもしれないし、公立が合格で柳川高校は辞退するかもしれない。
一般的には、柳川高校に進学するかどうか分かりませんが、入学申込金20,000円は納入し、合格を確保しておくのが無難です。
もしこの後公立高校に合格して進学することになった場合、柳川高校の入学は辞退したことになります。
その際、柳川高校では納入金の返還はありません。
ほかの私立高校では、納入金の返還や延納制度がある場合もあります。
参照元:入試要項
さて、柳川高校の入試が終了しました。
次は公立高校の試験日程に入っていきます。
柳川高校の合格発表の翌日から、公立高校の願書受付が始まります。

【福岡県公立高校一般入試】
出願受付日 | 2025年2月7日(金)〜2月17日(月)正午まで |
検査日 | 2025年3月5日(水) |
合格発表日 | 2025年3月17日(月)午前9時 |
出願受付は2月上旬の10日間となっています。
このとき、福岡県では、願書に第二志望校を記入することができます。
もし、第二志望校を山門高校にした場合、3月5日の試験結果によって、3月17日の合格発表日において、山門高校の合否も決定します。
福岡県の第二志望校制度については、下の記事をご覧ください。↓
公立高校を第一志望とする場合、別の公立高校を併願することはできますか? – おおかわ学習支援センター
さて、3月17日に合格発表がありました。
第一志望の伝習館高校に合格した場合は伝習館高校に進学。
伝習館高校に不合格だった場合は、第二志望の山門高校か、私立併願の柳川高校に進学するかを考えます。
もし、ここで、山門高校にも柳川高校にも進学を希望しなかった場合はどうなるでしょうか?
次の補充募集という制度があります。
公立二次募集(補充募集、欠員補充)について
補充募集と欠員補充の違い
補充募集は、一次募集で定員に満たなかった場合に、あらためて志願者を募って選考試験を行い、合否を決める制度です。
一方、欠員補充は、一次試験で定員は満たされていたものの、辞退者が出て欠員が生じた時に、先の試験の不合格者の中で最も評価が高かった生徒を順次入学させていく制度です。
実施時期と対象
福岡県の補充募集は、合格者の人数が10人以上入学定員を下回る学科で実施されます。
2025年度では、全日制29校39学科・コースで計1,005人の補充募集が行われました。
2025年度の補充募集の出願受付は、合格発表の翌日の3月18日から開始されています。
一方、欠員補充については辞退者が出ないと決まらないので、日程は公開されていないようです。
試験内容と選考方法
福岡県の補充募集では、面接や作文が実施されます。学力検査については初回受検校での結果を利用します。
出願条件
補充募集においては、本人・保護者の居住地の属する学区外の補充募集実施校にも出願できる特徴があります。
これは通常の入試とは異なる柔軟な制度となっています。
【福岡県公立高校補充募集】
出願受付日 | 2025年3月18日(火)〜3月21日(金)正午まで |
検査日 | 2025年3月24日(月) |
合格発表日 | 2025年3月26日(水)午前9時 |
さて、ここまで、福岡県の公立高校一般入試のスケジュールと注意点を見てきました。
今回は2025年度(令和7年度)のスケジュールに基づいてシミュレーションしています。
あらためてですが、福岡県教育委員会のホームページに、ひと通り目を通しておかれることをお勧めします。
現時点で、すでに令和8年度(令和8年4月入学)の入試の日程が発表されています。
必ず最新情報をご確認ください。
参照元:高校入試 – 福岡県庁ホームページ
補足情報:福岡県公立高校の志願倍率について(令和7年度)
ここで参考までに、福岡県公立高校の令和7年度の志願倍率について見てみましょう。
福岡県教育委員会のホームページで、福岡県内の公立高校の志願状況が公開されています。↓
令和7年度公立高等学校一般入試志願状況(志願変更受付後) – 福岡県庁ホームページ
令和7年度公立高等学校入学者選抜における補充募集志願状況について – 福岡県庁ホームページ
いくつか興味深いことが、浮かび上がってきます。
ここでは、福岡県第10学区の高校の普通科にしぼって見てみます。
【福岡県立高校の志願倍率(第10学区普通科のみ抜粋、確定数)】
学校名 | 入学定員 | 志願者数 | 倍率 |
三瀦高校 | 80 | 51 | 0.64 |
大川樟風高校 | 80 | 66 | 0.83 |
伝習館高校 | 200 | 217 | 1.09 |
山門高校 | 140 | 113 | 0.81 |
三池高校 | 200 | 176 | 0.88 |
第10学区においては、伝習館高校を除き、軒並み倍率が1.0以下、つまり定員割れの状況になっています。
このように、近年の傾向では、全国各地で公立高校の定員割れが顕著になっています。
これは、地方での少子化や人口減少の影響、各高校の大学の進学実績、私立高校の教育体制の充実や授業料助成制度の影響が考えられます。
さらに、補充募集の志願状況も見てみます。
【福岡県立高校の補充募集志願倍率(第10学区普通科のみ抜粋)】
学校名 | 補充募集定員 | 志願者数 | 倍率 |
三瀦高校 | 21 | 0 | 0.00 |
大川樟風高校 | 13 | 3 | 0.23 |
山門高校 | 25 | 1 | 0.04 |
三池高校 | 31 | 0 | 0.00 |
補充募集の状況は上図のとおりで、補充募集を行っても、志願者数はほぼ皆無の状況です。
つまり、大学進学実績が高い高校、体制が充実した私立高校や特色ある専門教育を行う高校に生徒が流れており、地方の公立高校普通科は相対的に人気を失っていることがうかがえます。
これは同時に、第二志望校制度や補充募集制度は、実施しても効果がないことを表しています。
福岡県内の補充募集では、筑紫高校普通科の人気が際立って高く、補充募集定員30名に対して、40名の応募となっています。
これ以外では、宇美商業ビジネス探究科が倍率1.09となっているのみで、軒並み公立高校離れが進んでいると言えます。
以上、この記事では、福岡県の学区の一つを取り上げて、高校入試の具体的なスケジュールと各高校の志願状況などを見てきました。
では、また。