公立高校を第一志望とする場合、別の公立高校を併願することはできますか?

公立高校の併願について

現在の日本の高校受験制度では、公立高校を第一志望とする場合、別の公立高校を併願することは基本的にできません。
公立高校の入試は「単願制」が一般的であり、1校のみを受験する形が主流です。

ただし、以下のような例外や地域差があります。

1.兵庫県など一部地域での併願制度
兵庫県では「複数志願選抜」という制度があり、第一志望と第二志望の公立高校を選ぶことが可能です。
このような制度を採用している地域では、公立高校間での併願が認められています。

2.併願制導入の検討
2025年現在、政府は公立高校の「併願制」導入を検討しています。
この制度が実現すれば、複数の公立高校を志望校として出願できるようになる可能性があります。
ただし、導入には課題が多く、具体的な実施時期や詳細は未定です。

3.現状の一般的な併願方法
公立高校を第一志望とする場合、併願校として私立高校を受験するのが一般的です。
これは、公立高校に不合格だった場合の進学先を確保するための方法であり、私立高校の「併願優遇制度」を活用するケースが多いです。

私立高校の併願優遇制度の活用

併願優遇制度は、私立高校が定めた基準を満たした生徒に対して、一般入試で優遇措置を提供する制度です。
この制度を活用することで、第一志望校(主に公立高校)が不合格だった場合でも、進学先を確保できる安心感を得られます。
以下に、具体的な活用方法を説明します。

1.併願優遇制度の仕組み
・基準の確認
併願優遇を利用するには、私立高校が設定する基準(主に内申点)を満たす必要があります。
例えば、東京都の私立高校では、9科目の内申点が36以上(オール4相当)などの基準が一般的です。
・加点項目の活用
内申点が基準に達しない場合でも、英検や漢検などの資格、部活動での実績、皆勤などの加点項目で補うことが可能な学校もあります。

2.活用の流れ
・基準の確認と情報収集
志望する私立高校の併願優遇基準を確認します。
基準は学校の募集要項や説明会で公表されることが多いです。
中学校の先生と相談し、事前に私立高校との調整を行います。
・事前相談の実施
12月頃に中学校の先生と私立高校の先生が事前相談を行い、併願優遇の利用を確定します。
・一般入試の受験
併願優遇制度を利用して一般入試を受験します。
基準を満たしていれば、ほぼ合格が保証されます。

3.メリットと注意点
メリット
・進学先の確保

第一志望校が不合格でも、進学先を確保できるため、安心して受験に臨めます。
・合格の可能性が高まる
内申点や加点項目を活用することで、合格の可能性が大幅に向上します。

注意点
・入学の確約
併願優遇を利用する場合、第一志望校が不合格だった場合は、優遇を受けた私立高校に必ず入学する必要があります。
・学校ごとの基準の違い
基準や加点項目は学校ごとに異なるため、早めの情報収集が重要です。

4.具体例
例えば、東京都の桜美林高校では、進学コースの内申基準が「5教科21ポイント」と設定されています。
内申点が20ポイントの生徒でも、英検準2級を取得していれば1ポイント加点され、基準を満たすことができます。

まとめ

現時点では、ほとんどの地域で公立高校同士の併願はできません。
ただし、地域によっては例外があり、また将来的に制度が変更される可能性もあります。
受験を検討している地域の最新情報を確認し、学校や塾の先生に相談することをおすすめします。

進研ゼミ中学講座の「高校入試情報サイト」では、公立高校を第一志望にした場合、第二志望はどの私立高校を選べばよいか教えてくれます。
先輩たちが、実際にどの併願校を選んだかという情報です。
これは参考になります。
ただし、進研ゼミ会員から集めた情報なので、完全に網羅しているわけではないようです。
やはり、進路指導の先生に相談するのは必須ですね。

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福岡県の高校受験の併願校例(あ行)|進研ゼミ 高校入試情報サイト

私立高校の併願優遇制度は、受験の不安を軽減し、進学先を確保するための有効な手段です。
制度を活用するには、基準の確認、事前相談、情報収集が重要です。
第一志望校の結果に左右されず、安心して受験に臨むために、計画的に準備を進めましょう。

では、また。